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[特集]多文化共生をめざして(2)

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兵庫県加西市

■加西市の現状
◆生産活動を支える存在
多文化共生が注目される背景には、(1)グローバル化の進展、(2)人手不足の深刻化に伴う外国人人口の増加があります。
少子高齢化による生産年齢人口減少に伴う人手不足への一つの対策として、2019年の法改正により外国人の受け入れが拡大されました。
これにより、人手不足が深刻とされている特定産業分野では、一定の専門性・技能および日本語能力のある外国人を即戦力として受け入れることが可能となりました。市内では主に製造業において積極的な雇用が進んでおり、市内企業の生産活動を支える存在として期待されています。今後、加西市が進める産業団地の拡大に伴い、雇用が増え、産業を支える人材として、外国人の受け入れも増加すると考えられます。

◆人材の流出
2027年の法改正により、新たな在留資格として「育成就労」が創設されます。技能実習制度の代替として、特定産業分野での人材育成と確保を目指しており、原則3年間の育成期間が設けられています。
転職ができる制度のため、深刻な人手不足に陥る可能性があります。

◆見えない壁の存在
「言語の壁」、「文化や慣習の違い」といった課題が存在しています。
中でも深刻なのが「言語の壁」です。日本語が十分に理解できないことで、困りごとを誰にも相談できず孤立したり、職場での誤解やミスが安全性の問題につながったりするケースがあります。
また、「文化や慣習の違い」も大きな課題です。ごみ出しや騒音トラブル、近所づきあいなど、日本人にとっては「常識」とされるマナーや暗黙のルールが、異なる文化背景を持つ人々には必ずしも伝わっていないのです。
すべての外国人が日本社会にスムーズに溶け込み、安心して暮らすためには、この「見えない壁」を解消する必要があります。

◆多文化共生の架け橋
産業界において人材確保が大きな課題となる中、法改正などによる人材流出を防ぐためにも、企業支援として外国人の方がより働きやすく安心して暮らし続けられる環境づくりはとても重要であり、
今後、加西市が「選ばれるまち」となるために、多文化共生を目指すための拠点が必要となってきます。また、日本での生活に適応することも外国人の方には大きなハードルとなっており、文化・習慣の啓発や理解促進、地域における外国人の方への理解促進や、より良い関係を生み出す支援も必要です。
そこで、今年9月「加西市グローバルセンター」を開設します。

▽在留資格別
技能実習:33%
特定技能:16%
永住者:16%
技術・人文知識・国際業務:15%
家族滞在:10%
その他:10%
◎技能実習と特定技能が5割

▽国籍別
ベトナム:60%
インドネシア:8%
ブラジル:6%
中国:6%
韓国:3%
フィリピン:3%
その他:14%
◎ベトナム国籍が6割

(2025年6月30日現在)

◆外国人の方に選ばれるまちへ、行政と産業界の挑戦
市内で働く外国人の方たちは真面目で勤勉です。新しい技術や知識を学ぶために努力を惜しみません。
日本で新しい技術や知識を習得し、自国での将来に活かすことを強く意識している方も多く、仕事を覚えるのも早いのが特徴です。
今後、産業団地が拡大され、さらには「育成就労」が創設されると、事業者の人材確保が大きな課題となってきます。
外国人の方に「選ばれるまち」となるため、産業界も行政と連携し、取り組みを進めていきたいと考えています。

加西商工会議所
河原浩申(ひろのぶ)事務局長

問合先:まちづくり課
【電話】42-8706

       

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