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地域の魅力再発見 加西のお祭り ヨーイヤサー(1)

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兵庫県加西市

■コロナ乗り越え 最古級の石仏「御開帳」

▼秋空の下華やかに50周年
今月号からスタートした「加西のお祭り ヨーイヤサー」。市内では各地でさまざまな祭りが行われています。昔から続く伝統的なものも多く、地区ごとに違った特色があります。
第1回は、昨年11月に古法華石仏御開帳50周年記念式典が行われた、「古法華石仏祭り」を紹介します。

西長町にある古法華寺で昨年11月23日、古法華石仏御開帳50周年記念式典と秋の石仏祭りが行われました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、3年遅れで記念式典を開催。子どもの健やかな成長を願う稚児行列が行われた後、多聞寺方丈による法要が始まり、国重要文化財で日本最古級の石仏「石造浮彫如来及び両脇侍像(せきぞううきぼりにょらいおよびりょうわきじぞう)」が姿を見せると、訪れた住民や参拝者は手を合せ、感慨深い様子で見守りました。
収蔵庫を管理する古法華保存会の高見勉会長(両月町)は「古法華寺に参拝してよかったと安堵感を与えられるよう、管理している八町が責任を持って今後も協力していきたい」と話しました。

石造浮彫如来及び両脇侍像は「古法華石仏」と通称され、西長・東長・大村・牛居・岸呂・両月・戸田井・王子の八町共有で管理しています。
白鳳時代に造られた日本では最古級の石仏です。昭和30年から奈良国立博物館に収められていましたが、地元の熱望によって、昭和46年に古法華の地に戻され、今は収蔵庫に祀られ大切に保管されています。昭和36年に国重要文化財に指定。
材質は凝灰岩、石の色は明るい茶色で、板石の高さが約105センチ、幅約70センチ、奥行き約22センチ、屋根の部分は高さ約50センチ、幅125センチ、中尊如来像の左右に脇侍が配されています。

祭りは、昭和54年から始まり、春と秋の年2回開催されています。春は、地元の中高生等による巫女の阿弥陀如来様のお通しがあり、無病息災・家内安全を祈願しての護摩供養が山伏によって執り行われます。
古法華寺周辺には、これまで石彫体験に参加した人たちの作品、約300体の石仏が安置されています。秋には、その年に製作した石仏の入魂式が行われ、また、無病息災を願う大根炊き(中風除け)が振舞われます。
「日本最古級の石仏と伝統の祭りを守り、次世代に繋げていく。それが私の使命」高見会長は、そう言葉に思いを込め微笑みました。

       

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