1月29日、市立加西病院新病院に係る基本構想・基本計画検討委員会は「市立加西病院 新病院基本構想・基本計画」を高橋市長に答申しました。新病院で、どのような医療を受けられるのかを中心にお伝えします。
■これまでの流れ
加西病院は、昭和49年に現在の場所に建設されてから50年が経過し、耐震基準や老朽化が課題となっています。平成30年度から建て替えに向け検討を進めてきましたが、建設費用の倍増が想定されるなど新たな課題が出てきました。適正な規模や設置場所などの検討を踏まえ、令和5年度に現地建て替えから、別の場所での建設に計画を変更しました。
令和6年1月に「市立加西病院新病院に係る基本構想・基本計画検討委員会」(委員長/加古川市民病院機構 大西祥男理事長)を設置し、高橋市長の諮問に対して、委員会を5回実施して検討を重ねてきました。市は、答申に基づき、令和12年開院を目指して準備を進めていきます。
■新病院の目指す姿
◇基本方針
・地域住民の健康を守り、心安らぐ病院づくりを目指します
・患者に寄り添った、安全、良質、最善の医療を提供します
・医療・介護・福祉の地域連携を推進し、切れ目のない医療を提供します
・働きがいのある職場環境を整え、教育、研修で良き医療人を育成します
・健全経営で活力ある持続可能な病院運営を行います
【地域・患者・働くものにとって魅力的な病院に】
患者:
・在宅医療の充実
患者やその家族が退院後も安心して過ごせるよう、在宅医療を強化します。
・診療・療養環境の充実
患者にとって単なる治療の場ではなく、元気に退院できる病院を目指します。
働く:
・働く環境の充実
加西病院を支える職員に、「働きたい」と思われる職場を目指します。
地域:
・予防医療の充実
健康増進、病気の早期発見を目指し、市民・地域の健康に寄り添います。
■受けられる医療
地域の高齢者らが住み慣れた場所で安心して生活を続けられるように、地域全体でサポートする「地域包括ケアシステム」。その中で、地域医療の中心的役割を担います。そして、すべての市民から医療・保健全般で信頼される多様な機能を持ち合わせた医療機関を目指します。
▽病床数
・回復期病床の割合の増加
・急性期病床の維持
[現在]
199床
急性期:94床
回復期:99床
第二種感染症:6床
↓
[新病院]
136床
急性期:52床
回復期:80床
第二種感染症:4床
▽診療科
現在の診療科を継続
・内科
・呼吸器内科
・消化器内科
・循環器内科
・外科
・整形外科
・耳鼻咽喉科
・産婦人科
・小児科
・泌尿器科
・眼科
・精神科
・皮膚科
・脳神経内科
・放射線科
・麻酔科
・リハビリテーション科
入院対応:内科系、外科、整形外科、耳鼻咽喉科、眼科、皮膚科(褥瘡(じょくそう)対応)を想定します。
【安心して受診・治療できるポイント】
1 24時間365日の救急体制を維持します
2 1階に外来と検査機能を集約。病棟を2階のワンフロアにまとめ、看護の充実を図ります。
3 現在の診療科を継続し、健診・人間ドック・リハビリテーションを強化します。
4 災害時にも病院機能を維持し、地域の災害拠点としての機能を整備します。
5 病床数は、医療需要の減少、地域医療構想を踏まえ、回復期病床の割合を増やします。
■安定した医療を提供するための環境づくり
▽医師確保に向けて
市が医師確保に向けて中長期的に対応するため実施し、現在10名が貸付を受けている医学生向け奨学金制度のPRや、院内の医師確保に向けた体制を強化していきます。地域全体で不足する医療資源や人的資源を補うため、メディカルタウン構想(本紙5ページ参照)の中で、加西病院で不足する診療科の開業医の誘致を、市医師会と連携しながら検討していきます。
▽医師の仕事をサポート
医師をサポートする「特定行為看護師の育成」や「医師事務作業補助者の確保」、「医療DXの推進」を進め、医師が治療に集中できる環境を整えていきます。
問合先:新病院に関すること…市立加西病院
【電話】42-2200